※※※2019.2.12更新※※※訪問ありがとうございます。初めての方はぜひこちらもご覧ください。

【イマイチ】京極夏彦さんの「死ねばいいのに」レビュー!

【イマイチ】京極夏彦さんの「死ねばいいのに」レビュー!

友達に勧められ、1年振りに小説を読みました。
漫画も大好きですが、小説は細かい描写でガッツリ世界観に浸れるので好きです!

今回読んだのは京極夏彦さんの「死ねばいいのに」
京極さんの作品を読むのは初めてでしたが、
人へ勧める度は【イマイチ】です(^◇^;)
とは言え、読破後のスッキリ感や読んで良かったのも本当です!
そんな「死ねばいいのに」のレビューです!
少しネタバレ気味なので、ご注意ください

あらすじ

死んだ女のことを教えてくれないか。
三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。
突如現れた無礼な男が、彼女のことを私に尋ねる。
私は彼女の何を知っていたというのだろう。
交わらない会話の先に浮かび上がるのは、人とは思えぬほどの心の昏がり。
極上のベストセラー

文庫版、背表紙より引用

構成

「アサミのことを教えて欲しい」
主人公、渡来健也に聞かれる”六人の視点”で物語は語られます。
第1章=一人目、第2章=二人目・・、
最終章=六人目との話という具合です。

どの章にも共通して出てくるのは人物は、
・主人公 渡来健也
・被害者 鹿島阿佐美

物語の共通点は、
・最初に感じる、主人公の胡散臭さ
・徐々に崩れてくる、各章の語り手
・前半で感じるモヤモヤを吹っ飛ばす、後半の爽快感

章が進むにつれて、物語の核心である
【鹿島阿佐美 殺人事件】の謎が解けてきます。
ミステリーとは言うものの、
「物語の主軸は事件のトリックを解く!」
とかではなく、それぞれの主観をぶつけ合うような、
心の闇に迫ってい部分が主題なので、
「犯人は誰なんだろう?」
「どんなトリックで殺したんだろう?」

というようなミステリー感覚はなく、
「一体こいつは、どういう奴なんだ?」
という興味で読み進めていました。

良かった点

前半で感じるモヤモヤを吹っ飛ばす、後半の爽快感

構成で触れた、コレにつきます!

最初は主人公が胡散臭く、
語り手に味方する気持ちになるが、
徐々に語り手の世界観の方が胡散臭くなり、
主人公に
「コイツ、なんとかしてくれ」
と思うようになり、それが叶った時に爽快感が得られます。

ただし、最終章の六人目においては、
主人公自身の異質さが隣り合わせにあり、
それが最終章にふさわしく、
独特のクライマックスに繋がり、面白く感じました。

LGBT用語が出る

教科書には同性カップルなんて出てこないし、
日本では恋愛と言えば男女が当たり前という風潮がある中、
小説の中でさらっとLGBTが出てくると、
・特別じゃない
・普通に生活している
当たり前に自分たちがいるように感じられて、
「おっ、いいね!」
と嬉しくなります(o^∀^o)

と言っても、今回は
「ホモセクシャル」
という単語が出ただけではあるんですが・・笑
それでも僕の印象には強く残りました!

ちなみに、 LGBTが自然に出てくる作者

僕が読んでいる中だと、吉田修一さん、桐野夏生さん、西加奈子さん!
特にオススメは吉田修一さんの「ひなた」と、
西加奈子さんの「サラバ!」です。

吉田修一「ひなた」

距離感の近いノンケ(異性愛者)に惹かれながら、
あくまでノンケだから成就させる気はないし、自身も結婚した。
しかし、相手はこちらの想いに気づいていて、
あることをきっかけにまさかの行動に・・

初めて読んだ時、夢のような展開にドキドキしました。
4人の主人公、4つの季節を通して進んで行く物語。特段大きな事件があるとかではないですが、人の日常に潜む、誰でも持っている自分だけの秘密を垣間見るのが楽しい。オススメです!

残念ながら電子書籍はありません。

西加奈子 「サラバ!」

ゲイ疑惑のある、いとことのやり取り。
エジプトで出会う、男同士の友情を超えたなにか。
LGBT面も少しだけありつつ、物語としてすごく面白い!
壮大なスケールで長いですが、
読みやすいので、普段小説を読まない人にこそオススメしたい!

こちらも残念ながら電子書籍はありません。
ハード版だと上下2巻、文庫版だと上中下3巻なので、ご注意ください。

イマイチな点

前半で感じるモヤモヤを吹っ飛ばす、後半の爽快感

良かった点でも出したコレですが、この
「前半で感じるモヤモヤ」が、結構不快です(^◇^;)
・主人公の若者言葉と、独特の言い回し
・いちいち回りくどい、思い込みの強い語り手
・噛み合わない会話

読んでてすごくモヤモヤしました。
主人公が自身の無礼さを語り手に詫びるシーンも、
この言い回しやら、なかなか噛み合わない感じでイライラし、
更に各章で語り手が変わるため、このイライラを6回味わわなくてはならない(笑)

これらがある分、後半の爽快感につながるものの、
何度か読むのやめそうになりました。

総評

各章の後半の爽快感、
文庫で追加された六人目(最終章)でわかる真実は面白かったものの、
人によっては読破後に「?」が残るかも。
僕は各章でのモヤモヤが不快だったので、
人にオススメするかと言われると【イマイチ】です。

ただ、タイトルの「死ねばいいのに」にふさわしい内容で、
読破したことでモヤモヤも取れてスッキリしました!
・生きたいと思うことの当然さ
・生きたければ、なんでも出来るんじゃないか
と思えたので読んで良かったです!

〜〜の秋、読書も楽しんでみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。