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【レインボー千葉の会|第4回シンポジウム】概要と初参加の所感〜LGBTとパートナーシップ制度〜

レインボー千葉の会|第4回シンポジウム
〜LGBTとパートナーシップ制度〜

に、彼氏のベンと参加して来ました!
以前所属していた、LGBT向けインカレサークルで告知があったのがきっかけで、
「千葉市在住ではないものの、千葉県民として行ってみよう。」
と軽い気持ちでの参加でしたが、制度の意味と課題の理解が深まりました☺️
今回は、シンポジウムの概要と所感をお送りします。

シンポジウム

概要

・2月17日(日)14:30〜17:00@千葉県弁護士会館
・参加費 500円(学生無料)
・参加人数 40〜50名(登壇者含む)

【LGBT】という言葉の捉え方について
【LGBT】だけで全てのマイノリティーをカバー出来る訳ではないが、
認知度が上がっている過渡期であるので、今は敢えて【LGBT】を推している。という説明を、シンポジウム全体でどの講師の方もされていました。
・カテゴライズされるのに抵抗、疑問がある人
・カバーしきれないセクシャリティをどうするのか

なんて問題もあって、【LGBTs】なんて言葉もあるので、そのケアですね。

レインボー千葉会の活動紹介|レインボー千葉の会 上井ハルカさん

14:30〜14:50

基本用語解説

●LGBT、SOGI(ソジorソギ)など

恥ずかしながら、SOGIは初耳でした😅

SOGIとは・・
Sexual Orientation(性的指向)
Gender Identity(性自認)
の頭文字を取った用語で、生きている間に変動する可能性があり、制御できない
例:男性が好きだった人が、女性が好きになる

なるほど、覚えました。
このカテゴリでは、最後の話が1番興味深かったです。

●「LGBTというカテゴリの人々のために何かをする」ではなく、
「全ての人の性的指向・性自認に関わる障壁をなくしていく」という考え方へシフトしていくべし

こうしていくことで、
・社会全体の課題として捉えやすい
・自身に変化を受け入れやすくなる

と思うので、この考え方が浸透していくと良いですね。

特徴

●LGBT当事者、アライ(賛同者・支援者)も参加
都内では「ゲイの団体」「トランスジェンダーの団体」などと別れていることが多い
アライという単語も初耳でした💦
垣根なく一致団結しやすいのは地方の強みなのか、と感じました。

活動内容

●行政への働きかけ、諸機関へのLGBTに関する講習など

設立

●2016年1月 第1回シンポジウムを開催し、会を結成
2015年11月 渋谷区・世田谷区の同性パートナーシップ制度開始され、
千葉市議会でも、同制度を希望する市民からの声があがり、専門家からの意見を踏まえて実現を目指す方向性が示された

この専門家という立ち位置で、同会が結成されたと理解しました。
声があがってからの動きが早い!
しかし、実現されたのは2019年1月29日(約3年)という結果を見ると、
制度を作る大変さが垣間見えますね・・

パートナーシップ実現に至るまで

●2016年:意見交換、要望書作成開始など
●2017年:千葉市長に要望書を提出など
●2018年4月26日:千葉市議会環境委員会にて陳述書採択
●2019年1月29日:パートナーシップ制度スタート

半端なくはしょってるので、詳細は公式HPをご参照ください。

パートナーシップ証明書交付日の様子

●スタート当日、
・LGBT 4組(内2組は、講師の上井さん・パネルディスカッション登壇者の伊藤さん)
・事実婚 2組(内1組は、パネルディスカッション登壇者の金田さん)
計6組が証明書を受取る
事実婚をパートナーシップ制度に組み込んだのは全国初

ニュースでも大きく報道され、母のトンも、
「TVでやってたよ!」
と制度のスタートを知ってました。

残された課題

●LGBTの困難を全て解決する訳ではない
・法律面での効果は婚姻に程遠い
●ゴールではなく、スタートライン
・第一歩を踏み出した
・LGBT当事者をいないものとさせない
●今後に向けて
・全ての人のSOGIに関する障壁を取り除いていくには、
多様なセクシャリティを前提とした法整備に加えて、
継続的な啓発による世の中の雰囲気作りが必要。
他の自治体でも同様の動きが起こることに協力していきたい。

千葉県弁護士会の活動について|千葉県弁護士会 常岡久寿夫さん

14:50〜15:00

レインボー千葉の会 参加のきっかけ

●レインボー千葉の会設立日、第1回シンポジウムの懇親会にて上井さんとお話ししたことがきっかけで、LGBTの権利が侵害されていることを知り、一緒に活動を始める

弁護士会の説明、施策

●千葉県で弁護士として活動するには、千葉県弁護士会に所属する必要がある

LGBTポリシーが総会で決議された

●LGBTの基本的人権の擁護は、弁護士の使命である
ポリシー原文はこちら

LGBT専用相談窓口の設置

●2019年2月18日から、LGBT専用相談窓口がスタート

日経新聞でも紹介されてますね!
シンポジウムでは、チラシもいただきました。

まとめると、
「千葉県の弁護士は全員、LGBTに理解があり、専用相談窓口もスタートさせた。
LGBTフレンドリーだよ。」

ということですね!
・理解があればいいのか
・本当の意味での理解がされているのか

などの問題はあるとしても、取り組みを始めるのが大事だし、有難いなと感じました。

総務省・行政相談の取組について|千葉行政監視行政相談センター 齋藤壽男さん

15:00〜15:15

総務省行政評価局の役割、組織、行政相談委員

LGBTに対する千葉センターの対応

●情報収集(常時監視活動)
●行政相談員に対する研修の実施
●行政相談受付体制の見直し
・一部書類の【性別欄】を削除 など
●LGBTに関する行政相談実例紹介
・2016年〜2019年1月までで、約30件の相談・意見
・内、5件は否定的な意見

総務省行政評価局からのお願い

●私たちの仕事の原点は、国民の皆さんの「声」です。
これからも、皆さんの「声」をお聴かせください!

全体を通じて、
「すぐ改善する!!」
とは組織の位置付け上言えないが、
「無駄にはしない!」
から、声を届けて欲しい。

という思いを感じました。
僕も総務人事部に所属していたので、この思いすごくわかりますが、
外から客観的に見ると少々頼りなく思えてしまうのも事実💦
でも、体制を変えたいと思っても、
反対意見の人もいれば、様々な想定をして各所に手を回す必要もあり、
地味に大変で、権限がないからスピード感も出にくいもんなんだと思います。
「どうせ何も変わらない。」
「上の指示がなきゃ何も出来ないんでしょ。」

なんて見限らず、「声」を待ってくれてるんだから、「声」をあげていこうと思いました。

千葉市のLGBT施作|千葉市男女共同参画課 荒井紀子さん

15:15〜15:40

国・地方自治体・民間企業の現状

●国の動向
・2002年「人権教育・啓発に関する基本企画」に性的指向を明記(法務省)
・2003年「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」公布(法務省)
性別を変更出来るように!ただし手術が必須など厳しい条件
・2012年「自殺総合対策大網」の見直しで、性的マイノリティを
「自殺の要因となりうる」と記載(内閣府)
・2015年「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応等の実施について」を発出(文部科学省)
「第四次男女共同参画基本計画」で性的指向、性同一性障害を明記(内閣府)
・2016年「ニッポン一億総活躍プラン」に「性的指向、性自認に関する正しい理解を促進するとともに、社会全体が多様性を受け入れる環境づくりを進める」と明記
・2017年「男女雇用機会均等法」のセクハラ指針にLGBTへの対応を明記(厚生労働省)
「人事院規則10−10(セクシャアル・ハラスメントの防止等)の運用について」を一部改正し、セクシャアル・ハラスメントに「性的指向若しくは性自認に関する偏見に基づく言動」が含まれることを明記

●地方自治体での取組み(実施地域)
・パートナーシップ制度
(渋谷区、世田谷区、伊賀市、宝塚市、那覇市、札幌市、福岡市、大阪市、中野区、大泉町)
・専用相談窓口
(横浜市、渋谷区、大阪市淀川区、宝塚市、世田谷区、札幌市 他)
・コミュニティスペース
(横浜市、大阪市淀川区、渋谷区、世田谷区 他)

コミュニティスペースは、当事者が安心して集い、自分らしく過ごすことができる場所。
千葉市も作りたいが金銭問題で実現できていない。
今はお金を掛けずに実現できないか、模索中とのこと。
僕の母は身体・精神障害がありますが、コミュニティスペースは多くあると感じます。
しかし、それは【今】であって、【ひと昔前】には考えられなかったと思うんです。
LGBT向けも広がっていき、最終的にはそんなスペースが必要ないくらい、当たり前になるといいですね。

●民間企業での取組み例
・社内規定等に性的指向、性自認への差別禁止を明記
・社内の人事、福利厚生制度の改定
・社内セミナー等の開催
・相談窓口の設置
・職場環境の整備(性別問わず利用できるトイレ等)
・生命保険の受取人に指定出来たり、家族割の適用を受けられたり

千葉市の取組み

●2017年1月に「職場におけるセクシャアル・ハラスメントの防止に関する要網」を改正し、明記

●「男女共同参画基本計画・第4次ハーモニープラン」にて、
「LGBTへの理解促進と支援」を重点施作に位置付け
・目標
①LGBTに関して社会的な意識が高まっていると思う人の割合
2015年 74% → 2021年 85%
②学校や職場内の人が、LGBTだった場合、これまでと変わりなく接することができると思う人の割合
2015年 60.7% → 2021年 75%

①は達成できそうだが、②は厳しいそうです。
こういった目標を掲げる時は、数値目標を設定するのがセオリーではありますが、
②の設定数値が75%というのは少し悲しいですね。
当事者と接する機会がなければ理解も進まないし、
カミングアウトしない当事者も多いのだから、仕方ない。
少しずつ、少しずつ・・

ちば男女共同参画基本計画・第4次ハーモニープランの詳細はこちら

●市民向け(啓発、相談、制度)

●パートナーシップ宣誓証明書・証明カードの活用
・市営住宅の申込(2019年4月から)
・市営霊園の申込(2019年5月頃から)
・市立病院での利用(患者本人の意識が無い場合の面会、看取りなど)

僕が今1番懸念している、【病院の面会・看取り】が、証明カードで解消されます!
コレだけでも、申込む意義はあるなーと感じました。
今後も証明書が「紙切れ」にならないよう、制度を充実させていくそうです。

●市職員向け(周知啓発、福利厚生)
・パートナー休暇(6日)、短期介護休暇(5日/年度)、介護休暇(最長6ヶ月)
・祝金 など

制度を利用する=カミングアウトになり、
カミングアウトをしやすい環境(雰囲気)にはなっていないのが実情だそうです。
以前紹介しましたが、友人の会社でも、同様の福利厚生が受けられる制度がスタートしました。
友人が利用者第1号となったものの、残念ながら第2号はまだ現れていないそうです。
まずは制度をつくる!
次は制度を整えつつ、浸透させていかないとですね。

【感動】友達の、同性のパートナーシップ宣言書

パネルディスカッション

16:00〜17:00

登壇者

●パートナシップ制度利用者
・伊藤悟さん
・上井ハルカさん
・金田由希さん
●弁護士
・南川麻由子さん
●進行
・桃瀬恵さん

会の特色に合わせ、それぞれのセクシャリティの紹介もありましたが、ここでは割愛します。

パートナーシップ制度がなく、大変だったこと

・パートナーの急病時立会いが許されなかった
・賃貸住宅を借りる際、男性2人ではなかなか借りられない
・事実婚状態だったが、周囲への説明に苦労する

パートナーシップ制度を利用して、良かったこと

・関係性を説明しやすくなり、精神的不安が軽減された(病院、賃貸住宅問題も一部解消)
・メディアを通じ認知度が上がり、共感者から励ましの声がもらえた
・多様性を市に認めてもらえた喜び
・両親へのカミングアウト、パートナーの紹介などのキッカケになった

パートナーシップ制度では、解決出来ないこと

・遺産相続出来ない
・配偶者控除を受けられない
・子供を育てている場合、血縁関係が優先される
・適用を受けた市から引越すと、無効になる
・特にトランスの場合、就労に関する差別には影響しない

同性婚の訴訟

・MARRIAGE FOR ALL JAPANの紹介
この訴訟は【お金】が目的ではない!
法整備を国会に促す為である。
2019年2月14日、同性婚の違憲性を問う、日本では初めての訴訟です。

千葉市でパートナーシップ制度をスタートさせるのに、他地区での前例があるにも関わらず3年掛かったのを考えると、今回の訴訟から法整備まで、どのくらいの年月が掛かるんだろう😦
弁護士の南さんは「長い戦いになる。」と仰っていました。
「もっと詳しく知りたい!」
「何か出来ることはないか?」
と思ったら、署名・クラウドファンディングで寄付など、簡単に支援することが出来ます。
詳細は公式サイトをチェックしてください!

ゴールはまだ先。我が家にも影響が

以上がシンポジウムの概要と、僕の所感です。
制度を利用することで1番懸念している病院問題が解決しそうなものの、
ゴールはまだまだ先だと理解
することが出来ました。

今回先頭に立って尽力いただいた【レインボー千葉の会】の皆さん、
【同性婚訴訟】で先頭に立ってくれている方々に感謝しつつ、
僕たちも出来ることをしていきます。

トンの体調が悪く、シンポジウムへの参加を諦めていたんですが、行けて良かったです。
これを期に、
「もしパートナーシップ制度が利用出来るようになったら、どうする?」
僕・ベントンの間でも話題になり、トンの懸念や僕の怠慢などの気付きにもなりました。
そんな3人の話も、アップしたので、良かったら覗いてみてください☺️

【異性も同性も関係ない】結婚への教訓


それでは、最後までご覧いただき、ありがとうございました。